アンテナ工事費が高い?ブースターや増幅器の費用に注意

アンテナ工事で見積もりを業者にお願いしたら、予想より高い金額で驚いた、という経験がある方もいるのではないでしょうか?業者のWebサイトなどに記載されている費用は、「アンテナ本体のみの価格+設置費用」の必要最低限の工事金額であることが多く、アンテナ以外の設備・機器が必要になる場合は当然工事の見積もり金額は高くなることになります。今回は、工事の際アンテナ本体以外に必要になる設備・機器について解説します。

ブースターの種類による費用の違い

テレビの視聴をアンテナで行う場合、電波の受信レベルが低いとテレビが正常に映らないことがあります。この場合、安定したレベルの信号を送るための機器が必要です。この時使われるものがブースター(増幅器)です。その名の通り電波を増幅する機器のことで、アンテナへ受信させた電波の受信レベルが低い場合に使用されます。

例えば、複数の部屋でテレビを見るためには電波を複数に分けてそれぞれのテレビに信号を入力する必要があります。電波を分けることによってテレビ1台あたりの信号レベルは低くなってしまうため、アンテナの近くにブースターを設置し電波を増幅することで、1台あたりに供給される信号レベルを増やしてテレビが正常に映るようにします。もともと電波が弱い地域や、建物などの障害物のために電波が弱くなっている場合にも必要になります。
地デジ視聴用、BS視聴用、4K8K視聴用の3種類のタイプがあり、それぞれ価格が異なります。地デジ放送用はBSや4K8K放送の電波を増幅することはできないため、新たにBS・4K8K対応に変える必要があります。地デジ用とBS用を兼ねたものもあります。地デジのみ、BSのみのものとは性能も価格も異なりますので、地デジ・BSアンテナ工事の場合は使われているブースターの種類や数を確認しましょう。

さらに、ブースターには屋内用、屋外用が存在します。屋内用は屋外用に比べて工事費を安く抑えられるメリットがありますが、効果は屋外用に劣ります。屋内用は受信レベルを少しだけ補強したい場合に用いると考えておいたほうが良いようです。

また、電波受信障害に対応した製品もあります。地上デジタル放送に完全移行した際に空いた周波数(700MHz帯)に携帯電話の電波が割り当てられたため、700MHz帯携帯電話基地局周辺の家屋やビルで、受信障害が起こる恐れがありました。この際の対策として、一般社団法人電子情報技術産業協会で審査・登録された一定以上の性能を有する地デジ対応製品には「DHマーク710」というマークをつけ、受信障害の影響を受ける可能性のある地域でアンテナや受信システム機器の交換を推進してきました。新たに設置する場合も、できるだけDHマークのついた製品を設置するよう推めています。4K8Kの場合は、一定以上の性能をもつ製品には「SHマーク」というマークが付けられています。
DHマーク・SHマークのついた製品を採用しているかどうかは、業者によって異なります。マーク未取得の製品とは性能や価格も変わってくるためチェックしましょう。

4k工事ではブースターや分配器の設置・交換はほぼ必須

上述したように、4K8K放送の受信はこれまでの設備では対応できないため、新たに4K8Kのアンテナ工事を行う場合は、アンテナに加えてブースターも新しく交換する必要があります。

4K8Kに対応したブースターは大きく分けて「地デジ、BS、CSすべての電波を増幅するもの」と「BS、CSは増幅するが、地デジは増幅しないもの」の2種類があります。住まいの電波状況や予算に応じて選択することになりますので業者からしっかりと説明を受け、相談の上決定しましょう。
さらに、分配器や混合器、壁面端子、同軸ケーブルなどといった各種機器の交換もほぼ必須となっています。

NHKと民法キー局の4k放送は、従来のBS放送の受信設備でも視聴することはできますが、受信設備の状況などによっては、配線や機器の交換が必要になる場合があります。4K8K放送は新たな周波数を利用して放送されるため、規格を満たさない古いブースターや分配器、端子などを使用していると、電波干渉が起き接続部分から電波が漏洩し、他の無線システムに妨害を与える可能性があるからです。この新たな4K8Kに対応した規格として前述したSHマークがあります。SHマークはこれらの接続部分のシールド機能が高いと認められた製品に付与されています。
業者からの見積もりに、使用する製品の型番等が記載されている場合は、SHマークがついている製品を使用するのか調べてみるのも良いかもしれません。

また、アンテナ工事業者といっても千差万別ですので、これらの知識が乏しいまま工事を行っている業者がいないとも限りません。「増幅器」とのみ記載されている場合も、心配な場合は使用する製品のメーカーや型番等を業者に確認して、信頼できる部品であるか判断しましょう。

機器料金のプランも確認しよう

アンテナ工事業者の工事価格を見るときは、これらの各種設備費用が価格に含まれているかで価格に差が出ることを覚えておきましょう。
業者がWebページなどで公開している工事金額は、「1部屋のみでテレビを見る場合の最低料金」が記載されていることが多いです。この料金内訳には「アンテナ本体の価格」「アンテナ本体に付属している設置用の金具や周辺部材」「技術料」と最低限の費用が記載されています。
新築戸建てなど複数の部屋でテレビを見る場合はブースターや分配器・分波器などの設置がほぼ必須になるため、最低料金に加えて15,000円程度上乗せされることが普通のようです(4K8K対応の場合はさらに高い場合が多いです)。

このため初めから各種設備の設置・交換費用がコミコミのプランを用意している業者もあります。
工事料金を比較する際は、料金プランの詳細な内訳をよく確認しましょう。
地デジだけでなくBS・4K8Kのアンテナ工事の見積もりを検討する際には、
・コミコミの工事金額の場合、BSにも対応した混合ブースターを使用しているか
・4K8K対応のBSアンテナ工事の場合は、従来のBS対応ではなく4K8K対応のブースターに交換するか
・使用する設備機器は信頼できるメーカーのものを使用しているか
・4K8Kに対応した電波測定器を使用し、ブースターの必要性を正確に判断できるか
これらの点に注意して比較検討を行いましょう。

まとめ

このようにアンテナ工事の金額は、アンテナ本体の費用だけでなく周辺機器や4K8K対応設備の有無によって大きく変わります。
見積もりの金額だけを見て「高い」と判断するのではなく、テレビを見る部屋の数やBS・CS・4K8Kなど希望する視聴チャンネルに応じた適切な項目が記載されているかをチェックする事が重要です。その上で不足している情報があった場合は改めて伝え、再度見積もってもらう必要があります。業者に応じて項目の分け方や言い回し等が違う場合もあるので納得できるまで比較・検討の上決定するようにしましょう。

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